シリーズ2/美しい漁港と雄大な海と深い森。真鶴編
東京散歩トリビア団による散歩
JR東海道線の小田原駅と熱海駅という大きな観光駅。両駅に挟まれた4つの小さな駅がじつはエモ散歩できる素敵な町だということをご存知だろうか。
シリーズ第二回目の今回は、真鶴駅をスタート・ゴールに参加者11名とともに散歩した。
では、さっそく。
背後に箱根外輪山がそびえている。海に向かって続くゆるやかな傾斜を下る。
この町は条例による規制で4階建て以上の建築が制限されるため、リゾートマンションのような景観を壊す建物が見当たらない。
物音がほとんどしない静かな漁村だ。
これはいつごろの建物だろう。町に暮らす人の髪を整えてきた理容院。タイルは張り替えているようだけど、柱を境に左右に並ぶ木戸には、幾歳月の静かな時の流れを感じる。
建ち並ぶ民家にさえぎられていた視界がやがて開けると、光を反射する穏やかな海が目に飛び込んできた…。エモ。
真鶴漁港はとても小さい。防波堤が波を遮るから風が少なければ穏やかな海面をしている。
ひとしきり、漁港周辺を散歩。
この建物は船の修理を行う工場か。イイ。
駅を出て一時間ほど歩くとお腹が鳴りだす。ランチをどうしよう。
選んだのは感動的な海鮮料理の「宵」。総勢12人が入店できるか不安があったが、開店すぐに訪れたことで入店できた。
どうかしてるボリュームで新鮮な魚を提供してくれる。そして、どうかしてるこの安さ。このためだけに真鶴を訪れる価値がある。
食事を終えると、漁港を離れ、真鶴半島先端の三ツ石を目指す。海沿いの道を行く。海水の透明度が高く、その景観の美しいこと。
海沿いの平坦な道はやがて、上り坂へと変わり、森の中の車道へ。車の交通量が少ないから、わりと安心して歩ける道だ。
この森全体が「魚つき保安林」である。海の生物の生育環境に好影響をもたらす理由で保護された森、それを魚つき保安林と呼ぶ。
この山はもともと萱が一面に茂る土地だったらしいが、江戸時代、明暦の大火(1657年)による材木不足を補うため、小田原藩によって植樹され、この山に深い森が誕生した。
森をよく見ると、まるでジブリ映画に描かれるような古木、大木がいくつもある。精霊が宿る神秘の木々か。
坂を上りきると、ケープ真鶴へと到着する。そこは真鶴半島の先端、三ツ石を望む山の上。
眼下を見下ろすと、青い海がどこまでも広がっている。しめ縄を張った三ツ石が太陽に照らされ、これまたエモ。
三ツ石に近づくためには、ケープ真鶴の山の斜面を10分ほど下らねばならない。なかなか急な下りだけど、思うほどきつくはない。高齢者、足腰に不安のある方でなければ、なんら問題はないだろう。
干潮ならば岩礁伝いに三ツ石まで歩いて行けるそうだが、この日は時間帯が合わず、海岸から眺めただけ。それでも雄大な自然が織りなす景観に大満足。
そして、この岬が本日のゴールとなった。のんびり歩いて、食事の時間を入れても4時間半ほどの散歩道だった。
ケープ真鶴からはコミュニティバスが真鶴駅まで走るので帰りはバスで。真鶴駅近くの二藤商店に立ち寄り、絶品のアジフライと金目鯛の煮付けを購入。なんと贅沢な一日だったか。
真鶴散歩に興味を持った方は、ぜひ今回のコースマップを参考に静かな海と深い森のエモ散歩を楽しんでください。
募集内容
※このイベントは終了しました。11名のご参加をありがとうございました。
開催日時/2023年1月28日(土)10時~15時
集合場所/JR東海道線真鶴駅10時(集合場所の詳細は参加する方へのみお知らせします)
解散場所/JR東海道線真鶴駅15時
参加費/2200円(ガイド料+資料代)※昼食代は参加費に含まれません。
定員10名
コース/真鶴駅~二藤商店(絶品アジフライ)コミュニティ真鶴~津島神社~真鶴港しとどの窟~魚座~貴船神社~頼朝腰かけ石~琴ヶ浜~山の神社~ケープ真鶴~真鶴岬~三ツ石~時間によってはコミュニティバスを利用し真鶴駅へ
参加お申込みはTwitterアカウント「東京散歩トリビア団」にて受け付けます。Twitterから「参加希望」とDMをお送りください。
JR小田原駅と熱海駅の間に挟まれた、わりと飛ばされがちな早川駅、根府川駅、真鶴駅、湯河原駅の4駅を計4回のシリーズで毎月散歩します。
第2回は美しい漁港風景で知られる真鶴港と海原に突き出た神秘の三ツ石を目指して真鶴駅をスタート。アップダウンがあります。琴ヶ浜からの山道では真鶴の古く深い森が迎えてくれます。ご興味ある方はぜひご参加ください。
第3回以降のスケジュール
第3回/2月25日(土)湯河原駅
第4回/3月25日(土)早川駅