東京散歩トリビア団による散歩
スタート地点は十思公園。
この公園は江戸のディープスポットである伝馬町牢屋敷跡であり、牢屋敷とは何かを一言で説明するなら「囚人の収用施設」と言えばよいだろうか。
だが、そこは江戸時代の話。現代人がイメージする刑務所とはわけが違う。
囚人自治の賄賂がまかり通る牢屋であって、環境は劣悪。この牢に放り込まれた平賀源内はわずか一カ月足らずで破傷風により死んでいる。
また、収用施設といっても、斬首刑に限ってはこの伝馬牢で行われていた。悲しく散った命は多く、吉田松陰もその一人。この場所を処刑場跡と言い換えても不都合はないだろう。
と、歩き出す前から重い話。
今回は、伝馬町、人形町、日本橋の江戸情緒を探しながら同時に日本橋七福神を巡ろうという企画で、ただでさえ見どころ豊富な人形町界隈にいろんな要素を盛り込んだコースだ。
江戸後期に流行り神となった於竹大日如来、彼女が佐久間家に奉公した時期に同じく佐久間家に奉公した小津清左衛門によって創業された小津和紙、薬種商の町から製薬会社の本社が集中する街へと発展した日本橋本町三丁目、大伝馬町の旧日光街道沿いに並んだ木綿問屋の面影など、江戸の話には事欠かない。
これぞ「お江戸散歩」となるはずだったのだが、誤算がひとつ。
人形町界隈には戦災を免れた昭和初期の商店建築が点在していて、どうしてもそちらに目を奪われるがゆえ、散歩がレトロ建築巡りになっていったことだ。
いわゆる看板建築で、それも関東大震災後のわりと早い時期に建てられた銅板葺きがあちこちに残っている。
といういことで、この日に訪れたレトロ建築をいくつかご紹介。
と、これは見て回った建物のほんの一部。
兜町界隈では、渋沢栄一の邸宅跡に建つ日証館や、山二証券の重厚でレトロな建物、日本橋ダイヤビルディングの船型ビルなどもじっくりと観察した。
見どころの一部ではあるが、こんな具合のレトロ建築巡りだった。
ところで、お礼を伝えたい店が2つある。
大勢で買い物をさせてくださった「江戸甘味處つくし」さん、固めで濃いカラメルがぴったりとハマる人形町風鈴(ぷりん)は参加者に大好評でしたよ。ありがとうございました。
また、総勢12名をランチ予約させてくださった「水天宮バルPEPPE」さん、何をいただいても丁寧に料理されていることがわかりました。牛すじカレーも美味しかったです。
そして、ご参加くださった11名の方々。全員が女性で少しびっくりしましたが、ぜひまた。楽しい一日をありがとうございました。
※このイベントは終了しました。11名のご参加をありがとうございました。お礼申し上げます。
開催日時/2023年1月8日(日)10時~15時
集合場所/東京メトロ東西線小伝馬町駅(集合場所の詳細は参加する方へのみお知らせします)
解散場所/日本橋15時
参加費/2200円(ガイド料+資料代)※昼食代は参加費に含まれません。
定員10名
コース/小伝馬町牢屋敷~寶田恵比寿神社~小津和紙~お竹大日如来井戸~福森神社~笠間稲荷神社~末廣神社~甘酒横丁~高級鯛焼き柳屋~松島神社~水天宮~茶ノ木神社~小網神社~兜町~日本橋ダイヤビルディング~江戸橋~日本橋~福徳神社
参加お申込みはTwitterアカウント「東京散歩トリビア団」にて受け付けます。Twitterから「参加希望」とDMをお送りください。
幕末、吉田松陰が投獄された伝馬町牢屋敷、江戸庶民から崇敬されたお竹大日如来、幕府公認の元吉原遊郭、情け有馬の水天宮など、江戸の歴史が色濃く残る人形町周辺を日本橋七福神を巡りながら散歩します。
戦前の古民家、商家もいくつか残っていて、建築物を見ながら歩くのも楽しいコースです。
江戸の風景を想像しながら歩く時間をお楽しみください。